「非線形数理レクチャーシリーズ,2010」
最終更新日: 2010年7月1日
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今後の予定: 第2回 (2010年7月20日)
終了したレクチャー
第1回
- 第2回: “心の眼で見る”― 内的な心的過程と大脳皮質の遷移ダイナミクス:力学系からの視点、あるいは、“認知における擬アトラクター仮説”
- 講演者: 藤井 宏 氏 (京都産業大学・インテリジェントシステム学科)
- 日時: 2010年7月20日(火) 午後4時30分から6時まで
- 場所: 東北大学理学部数理科学記念館(川井ホール)24号室
- 講演要旨: マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』には、紅茶に浸したマドレーヌを含んだとたんに、さきほどまで思い出すこともなくなっていた幼かった頃の出来事が鮮やかによみがえり、つぎつぎと展開すると云う有名なシーンがある。
このようなエピソード記憶の想起だけでなく、記憶や、意識の状態など脳における過程は、主観的には動的な転変するものとしてわれわれは経験する。確かに、直感的な数学的隠喩(メタファー)としての表現として見ると、脳の状態は過渡的に創発する異なった大域状態をつぎつぎと遍歴するという力学系的描像(津田一郎、カオス的遍歴)が成り立つように思われる。しかし、これは心理学的メタファーというより、われわれの意識や知覚が脳の動的産物である以上、脳の内部で生じている生理学的なプロセスを映しているとみなければならない。
今回の講義では、このような大域的な状態と、その遷移云々とは何であるのか?知覚、意識の流れを裏付ける脳内プロセスを記述することは可能か、などを主眼として最近の神経科学からの知見を基礎に、力学系の視点から論じてみたい。
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- 第1回: 境界条件がダイナミクスに与える影響について
- 講演者: 栄 伸一郎 氏 (九州大学大学院数理学研究院)
- 日時: 22010年6月29日(火)午後4時から5時30分まで
- 場所: 東北大学理学部数理科学記念館(川井ホール)24号室
- 概要: We consider pulse-like localized solutions for reaction-diffusion systems on a half line and impose various boundary conditions at one end of the half line. It is shown that the movement of a pulse solution with the homogeneous Neumann boundary condition is completely opposite from that with the Dirichlet boundary condition. As general cases, Robin type bounary conditions are also considered. Introducing one parameter connecting the Neumann and the Dirichlet boundary conditions, we will show the existence of stable stationary solutions which have not been known so far.
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世話人: 高木 泉,柳田 英二, 星野 真樹
980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
東北大学大学院理学研究科数学専攻
電話: 022-795-6401, FAX: 022-795-6400