振
動場の反応拡散系や結合振動子系では一般に複雑な時空間パターンが現れる。その発生メカニズムのひとつとして『ウェーブ分岐』が知られている。ウェーブ分
岐とは、空間的に非一様なモードが一様な
モードよりも先にホップ分岐して現れることである。一様定常解のまわりに限定すると2変数の反応拡散系ではウェーブ分岐は生じないが、3変数の反応拡散系
では生じ得る。結果として一様定常解から周期的な進行波やスタンディング波が出現する。また、2変数反応拡散系でも例えばパルス解の周りの分岐を調べると
ウェーブ分岐が生じ得ることも知られている。その際に分岐する周期的な進行波はヘリカル波と呼ばれる。一般にウェーブ分岐は多重分岐の形で現れるので、ど
のようなパターンが現れるかは様々である。一様定常解のまわりのウェーブ分岐での分岐構造の解析結果を紹介する。それにより進行波や複合進行波、スタン
ディング波などのダイナミクスを理解することができる。さて、化学反応などの観点では反応拡散系のモデルは自然であろうが、神経ネットワークの振動などは
拡散結合振動子系モデルで考えるべきであろう。そこで、結合振動子系も対象としながら上記のことを議論する。
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世話人: 鈴木香奈子,高木 泉,柳田 英二
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東北大学大学院理学研究科数学専攻
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