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「非線形数理レクチャーシリーズ,2006」

最終更新日: 2007年1月10日


第1回 第2回 第3回 第4回 第5回


第1回: 空間非一様な Allen-Cahn 方程式の多重層定常解
講演者: 中島 主恵氏(東京海洋大学海洋科学部)
日時: 2006年7月18日(火)午後4時30分から6時まで
場所:東北大学理学部 合同棟803号室
概要:
空間非一様なアレンカーン方程式の解について考察する. 拡散係数を小さくすると遷移層を持つ解が現れる. 本講演では、まず一次元の場合を扱い、空間的な非一様性が これらの遷移層の位置ににどのような影響をあたえるか考える. 遷移層は単独で現れるだけでなく、多数の遷移層が折り 重なって現れることもある..これらの解のモース指数(不安定 指数)は遷移層の位置と数により完全に決定されることを 示す. 一方多次元の場合の例として、球対称解をを考察する. 球対称解の場合も一次元のときと同様に折り重なった遷移層が 現れるが、これらの解のモース指数は拡散係数 を0とすると 無限大になる.さらにモース指数がいかに拡散係数に依存するか 調べる.
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第2回: 細胞性粘菌アメーバの運動の数理モデル
講演者: 梅田 民樹氏(神戸大学海事科学部)
日時: 2006年10月31日(火)午後4時00分から5時30分まで
場所: 東北大学理学部 物理C棟316号室
概要:
細 胞性粘菌のアメーバ様細胞は、白血球に似ており細胞運動の研究材料として利用されている。従来,細胞前部のリーディングエッジと呼ばれる部分で のアクチン繊維の伸長がアメーバ様細胞の運動を規定する要因として注目されてきた。しかし,最近,移動するアメーバ様細胞が基質に及ぼす牽引力の空間分 布が計測できる様になり,細胞性粘菌アメーバではむしろ細胞後部で強い力が発生していることが分かってきた。細胞の各部分での牽引力の発生と細胞全体の 運動の機構を探るため,アクチン繊維の化学反応と流動を簡単な偏微分方程式系で表し,数値計算を行っているので,その結果について報告する。また,ケラ トサイトや繊維芽細胞など他の細胞の運動と形態の数理モデルについても紹介する予定である。
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第3回: 時間遅れがもたらす常微分方程式の解の特性の変化について
講演者: 宮崎 倫子氏(静岡大学工学部)
日時: 2006年11月28日(火)午後4時00分から5時30分まで
場所: 東北大学理学部 物理C棟316号室
概要:
常微分方程式系に時間遅れが含まれる場合,解は振動的,さらには不安定化し やすくなることが一般に知られている.しかし,時間遅れは,状態フィードバッ クメカニズムをもつシステムにおいては,無視できない場合も多く,その影響 (不安定要素としての)をいかに小さくするかということが求められてきた.  その一方で,1992年にPyragas(1992年,Phys. Lett. A)は,不安定なシステ ムを時間遅れを利用して安定化させるという方法を提案した.また,Atay(cf. 2002年,Int. J. Control)は,周期軌道の周期や振幅の制御に時間遅れをもつ 項を利用する方法を提案している.このように,最近では時間遅れを安定化の道 具として利用する研究が徐々に進んできている.  本講演では,解の漸近挙動への時間遅れの影響について様々な観点から紹介す る.

講演の資料(Tohoku061128.pdf)を こちらからダウンロードできるようにしていただきました.


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第4回: クリスタライン曲率流方程式およびその一般化の解の挙動について
講演者: 石渡 哲哉氏(岐阜大学教育学部)
日時: 2006年12月19日(火)午後4時30分から6時00分まで
場所: 東北大学理学部 物理C棟316号室
概要:
結晶の境界は、通常ファセットと呼ばれる平らな部分を持つ。その ため、結晶界面の動きを扱う際には、滑らかな曲線あるいは曲面の みを考察対象とするのではなく、折れ曲がった界面を扱う必要があ る。本講演では、平面上の多角形領域に対する運動方程式の1つと して、クリスタライン曲率流方程式およびその一般化を扱い、解の 挙動について考察する。講演では、前半でこの問題の背景や関連す る話題に触れ、後半で最近得られた結果についてお話ししたい。
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第5回: エネルギ最小化原理に基づく赤血球の変形と流動挙動
講演者: 和田 成生氏(大阪大学基礎工学研究科)
日時: 2007年1月9日(火)午後4時00分から5時30分まで
場所: 東北大学理学部 物理C棟316号室
概要:
血液の体積の約半分は赤血球で占められており,それらの変形や配向,凝集といった挙動 は,血液の流動特性に影響を及ぼすとともに,血栓の形成や溶血の発生にも深く関与していると 考えられる.一方,巨視的にみれば,血液は非ニュートン流体として扱うことができる.本講演 では,力学原理に基づいて赤血球の変形と流動をモデル化し,種々の流れ場における赤血球の振 舞いをコンピュータシミュレーションで再現することにより,血液のマクロな流れとミクロな赤 血球の流動挙動を統合する血流のマルチスケール解析の試みを紹介する.
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世話人: 鈴木香奈子,高木 泉,柳田 英二
980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
東北大学大学院理学研究科数学専攻
電話: 022-795-6401, FAX: 022-795-6400